読書にふけりし今日この頃、いかがお過ごしでしょうか。
以前書いたセーラーのプロフェッショナルギア万年筆の記事が思いのほか好評で、ほかの万年筆の記事も見てみたいという声をいただいたため、万年筆の記事を書くことにしました。ありがたいものです。
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さて今回も国産の万年筆に触れたいと思います。国産の万年筆というとPILOTがトップを行っているのではないのかなと思っています。セーラーやプラチナ万年筆も有名どこではありますが、広く知られているのはパイロットなのではないかなと個人的に感じています。
そこで今回はパイロットの万年筆、グランセの紹介です。なお、今回紹介するタイプのグランセは残念ながらすでに廃番になってしまっています。しかしほかのグランセシリーズと形状や作りは似通っているので是非参考にしてみてください。
セーラーのプロフェッショナルギアの記事はこちら
外観
細くてスリムなボディ
パイロットの万年筆というと「カスタムシリーズ」や「キャップレス」などのやや軸が太い万年筆がメジャーですが、こちらの万年筆は細身でシュッとしています。
素材もカスタムシリーズとは異なって、樹脂製ではなく金属製です。
「細い軸は持ちにくい」と思われている方でも、金属製ゆえの重さをうまく利用することで細くてもスラスラと書きやすい印象を覚えると思います。
グランセシリーズは今では数種類しかありませんが、今回紹介する万年筆と同じくらいの細さをしています。
ベールカラーの軸もありますので、普段明るい色を好んで使っている方にもおすすめ出来る万年筆です。
クリップは雨だれクリップと呼ばれるもの
このタイプのクリップは「雨だれクリップ」と呼ばれています。
形状が雨粒のように見えるからとのことです。パイロットの、高級路線のペンのクリップには雨だれクリップがよく使われています。
しかしツイッターなどを見てみると、カスタム74などのクリップは「古くさい」という声がありました。たしかに現代的なデザインというよりは、レトロさを感じるようなデザインです、
しかしグランセのクリップはカスタム74と比較してみると、ややモダンな印象を受けます。丸玉の部分の主張が控えめになっているからでしょうか。
どちらにせよカスタムシリーズと比べると、全体的に現代的なデザインで堅苦しさがあまり感じられないのが特徴的です。万年筆に対して壁の高さを感じている方はグランセのような万年筆から手に取ってみてはいかがでしょう。
字幅FM(中細)のペン先は控えめな装飾
さて万年筆と言えば気になるのがペン先です。
この万年筆のペン先はやや小ぶりで、装飾もある程度刻印はあるようですが控えめな印象でした。セーラーのプロフェッショナルギアのペン先と比較するとよくわかるのですが、こちらはバイカラー(色を2色使っている)ニブで、刻印も細かく施されています。
同じ価格帯の万年筆の中でもシンプルな方だと思います。
字幅、ペン先の太さはFM(中細)という日常的に使うには丁度良い太さを選びました。中字ではノートの罫線的にやや大きめ・太めになることが多く、細字ではペン先が細くカリカリとした書き味で万年筆らしいなめらかさが感じられにくいのですが、その間をとったのがこの中細字です。
これまで中細字の存在は認知していたのですが、中細字を採用している万年筆があまりなかったため買う機会がありませんでした。このグランセを購入する際は、運良くこの字幅が残っていたため購入することが出来ました。
書き心地
金属製なのでやや重量を感じる
上述の通り、この万年筆のボディは「細い・金属製」というのが特徴的で、そのため一般的な樹脂製の万年筆よりも重量があります。
指が太い方などはこの万年筆のグリップをしっかり持とうとするのではなく、重さにまかせて力を入れずに筆記するのが一番書きやすい方法でしょう。
指が細い方でも力を入れずに重さを利用して筆記すると滑らかに書くことが出来ます。
万年筆は基本的に、力を入れずに筆記するものです。しかし軽い万年筆だとそうするのにややコツが必要だったりします。グランセのように金属製で重量のある万年筆であれば、重さを使うことが出来るので万年筆本来の書き心地を味わうことが出来ます。
ペン先は引っかかりもなく書き味良好
こちらは秋田県でもトップを行くであろう品揃えの文房具店で購入しまして、その際試し書きもさせていただきました。そちらのお店では座った状態で試し書きができるため、実際に万年筆を使うシチュエーションを想定することができます。
その試し書きをしたときから書き味は非常に良く、引っかかりなど感じられることはありませんでした。
お店で試し書きをするときのポイントなのですが、
- 実際に使うときの姿勢で書く
- 普段使用するノートなどにも書いてみる
ということが大事になってきます。というのも立った状態で筆記するときと座った状態で筆記するのでは、万年筆のペン先の角度がやや異なることがあります。
お店で書いたときと書き味が違う。ということになりかねませんね。
またお店で用意されている試し書き用のノートや紙は、特に万年筆用に用意されている紙というのは、たいてい上質で高級な紙が使われています。ためしに指で触ってみてください。しっとりとすべすべしているものが多いです。
そんな紙で筆記するとそれは書き心地がいいもんです。なので普段自分が使っているノートやメモ帳を持参して、そちらにも書いてみるようにしましょう。
私は常用しているメモ帳とノートにも書かせていただきました。
それでも書き味はやはり良かったです。
インクはパイロットのブラックブルー
使用しているインクはパイロットのブラックブルーです。
こちらは万年筆のボトルインクの中でも入手しやすいうえ、容量もこの小さいのから大きいのまで様々有り、自由度が高いと思ったためこのインクを愛用しています。
万年筆は自分の好きなインクを使用することが出来るというメリットがありますが、基本的に私は万年筆とインクのメーカーは揃えるようにしています。
メーカーは自社のインクを使用する前提で万年筆を作っているため、一番相性の良いインクはやはり同じメーカーのものだろうというように踏んでいます。
ちょっとした私の拘りです。
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