理系大学生は関数電卓が必要なのか?

事務小物

学部1年のときに教員に勧められて購入したものの、ほとんど出番がなかった関数電卓。再び使うことになったのは3年の後期、研究室に配属してからでした。

宇宙物理学専門の研究室に配属した私は、「天文学的数字」と戦うことになります。
そんな私を支えてくれたのが関数電卓でした。

もしかしたら似たような状況にいる学生さんはおおいのではないでしょうか。
現在1年生で関数電卓を買おうか迷っている方、実験や授業で使うかもしれないと思っている方、様々だと思います。そこで今回は関数電卓は必要なのか。ということを書いてみました。

関数電卓とは

関数電卓は普通の電卓のように四則演算に加え、三角関数や対数関数・微積分の計算機能をそなえている電卓のことです。単に計算機能が増えただけではなく、カーソルがついていることでより視覚的に扱いやすくなっているというメリットもあります。

スマホの電卓では分数の分子分母の選択や、べき乗の計算などは()を多用する必要があったりと、消して便利とは言えませんが、関数電卓はその辺の視覚的な操作性も考慮されています。

関数電卓によってはあらかじめ科学定数が登録されているものもあるため、計算がよりスムーズに行えます。

結論:あった方が良いことが多い

結論を先に言いますと、関数電卓は有るに越したことはないです。

私は購入当初は「関数電卓なんて必要ないだろ」と思っていましたし、実際に使う機会も限られていました。実験の時に使う程度でした。

その実験の時もスマートフォンの関数電卓アプリで事足りていたので、関数電卓現物の使用頻度は極めて低かったというのが私自身の体験です。

こんな人は関数電卓を買うべし

関数電卓を買った方がいい人
  • テストで電卓のみ持ち込み可の人
  • 桁数の多い数値の計算をする人
  • 数値計算のできるプログラミングのスキルがない人

テストで電卓のみ持ち込み可な人

理系に限らず文系でも経済学や、金融論なんかを履修している学生ならば電卓が持ち込み可になっている試験があると思います。そういう試験の多くは、やはり手計算で解くには時間がかかったり、計算ミスをしてしまうような問題が多めです。

そのため、是非とも関数電卓を購入して持ち込むことをすすめます。
私は理系ながら金融の講義を取った経験があるのですが、試験で出題された複利計算の問題なんかは関数電卓がなかったら大変時間がかかっていたなと思います。

単位を取るためにも、教員から関数電卓の持ち込みが「強く」推奨されている場合は関数電卓の購入を強く勧めます。

桁数の多い数値の計算をする人

ちょっとした計算程度ならば、手計算やスマホのアプリで乗り越えられていたかもしれませんが、桁数が多くなってくるとそれも限界が来ます。

例えば

万有引力定数は、\(G=6.67\times10^{-8}\left[g^{-1}\cdot cm^{3}\cdot s^{-2}\right]\)
太陽の質量は、 \(M_{\odot}=1.99\times10^{13}\left[g\right]\)
プランク定数は、\(h=6.63\times10^{-27}\left[erg\cdot s\right]\)

など、このくらいの桁を扱うとなると計算が面倒です。
しかもこれら以外にも、桁の大きい値が多く登場し、さらに分数や対数、指数などと一緒に扱うのでスマホのアプリでは到底追いつけないことでしょう。

自分もこういう計算をするときに関数電卓に救われたとともに、Pythonできるようになろうとも思いました。

数値計算のできるプログラミングのスキルがない人

先ほど書いたように、大きな桁数を持つような数値を扱う場合は手計算やスマホのアプリでは不十分でしょう。こういった計算で一番便利なのが「プログラミング」です(言語による)。

自分の受けていた天文学の講義では、天文学の内容と並行するようにPythonの内容も扱っていました。Pythonを1から、というよりはPythonを計算の道具として使えるようになるという目標をかかげていました。

そもそも関数電卓はどんなときに有効なのか

それまで関数電卓はほとんど使わず、使うとなってもスマホのアプリで済ませてしまうようなありさまでしたが、研究室に配属されてからは話が変わってきました。

天文学の研究をしている研究室に配属されたのですが、扱う数字の桁数がこれまでの比にならないくらい大きくなったのです。まさに天文学的数字ってやつですね。

そんな大きな数を掛け算したり割り算したりの繰り返しで、とうとうスマホのアプリでは使いにくさを感じるようになりました。

こんな人は関数電卓は必要ないかも

買わなくても大丈夫な人
  • 試験で関数電卓を使わない学生
  • Python等の計算ができるプログラミングを扱える学生

愛用している関数電卓

私の愛用している関数電卓は廃番になっていました。
型番的にこちらが後継機になるのかなと思います。

casio fx-375ES

ちなみに生産終了品でした。

Access Denied

正直オーバースペックだったかも

ただ正直この関数電卓よりもっと安い関数電卓でも十分だったなと思っています。

この関数電卓は機能満載なのですが、その機能をフルに使っているかというとそうではないというのが現状です。中には行列の計算も出来るような関数電卓もあるようですが、果たしてそこまで必要なのかなと思うこともあります。

専門や分野によって必要な機能は異なってくるのでしっかり見定める必要があると思います。

科学定数機能は大変便利だった

物理学においては物理定数という定数が欠かせないものでして、あらゆる公式に出現します。定数なので式そのものを変形したりいじる分には楽なのですが、計算するとなるとまた話が変わってきます。

物理定数の多くは桁がやたらと大きかったり、逆に小さいことが多いです。
そのため手計算しようとなると大変しんどいのですね。電卓もしかりで、スマホの電卓アプリに物理定数の値をそのまま入れるとエラーが出たりしてしまいます。

しかしこの関数電卓には科学定数を呼び出してくれる機能がありました。
呼び出すとよく使われる文字のまま定数が表記されます。
実行(イコール)するとしっかりとその値で計算されるので実数値で出力してくれます。

なんと便利なことでしょう。
これのおかげで、ルートや分数が入り込んでもすっきり見やすい式になってくれます。

電卓アプリではこんな機能を使うことは出来なかったので、関数電卓には大変お世話になりました。

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